2014年5月30日金曜日

2014土佐乃国横断遠足 (室戸岬-足摺岬 242km)  (その5)

土佐乃国横断遠足 つづきです。

2014年5月25日(日)午前10時30分過ぎ スタートから49時間30分 約210キロ過ぎ


頑張っているつもりが、残り距離がなかなか減らず、もどかしい状況です。
足摺岬をゴールしたランナーの帰りの車とすれ違い、応援を受けて、自分も絶対にゴールまで、という気持ちが強くなります。

暑くなってきたので、文旦ジュースの看板に引かれ、お店に立ち寄りました。


お店の方に、「室戸岬から足摺岬まで走っている途中」だということを伝えると、
「あなたの顔、見たことがある。確か、昨日の新聞に載っていた。そんなレースの記事だったと思う。」
昨日の新聞は見ていないし、スタート地点で新聞記者は来ていなかったので、おかしいなあと思ったのですが。。。。

その後も、「石川遼選手と同じ年ぐらい?」「いや一回り違いますよ」とか、何とも面白い話が展開した上に、小夏まで頂いてしまいました。


初めてなのに、初めてでない感覚。睡眠不足で、
夢と現実が区別つかなくなり始めていました。

しばらくして、215キロのゴール前、最後のコンビニに到着しました。


ここでは、さきほど頂いた小夏に、パン、ロールケーキなど食べて、ラストに備えました。この時点で、25日の正午を過ぎていて、午後4時〜5時ぐらいにゴールできればいいなと思いつつ、歩を進めていきました。

午後12時11分、この写真を撮ってから十数分後、


上り坂を上っている最中、突然、「寝るな」という声が微かに聞こえたあと、意識を失いました。

そして数分後、目を覚めると、
「今、何をしているのか?」
「何のためにここにいるのか?」全く理解できなくなっていました。

しばらくして、「足摺岬まで目指していること」は、思い出すのですが、
まだ、ゴールしていないことが分かると、どうしたらよいのか、急に頭の中がパニック状態になりました。

時間的感覚がなくなり、ゴールしていないのなら、テレビのダイジェスト放送のようにゴールすればよい など、普通の考えができないようになっていました。

自分が自分でない感覚、とても、気持ちの悪い感覚がしばらく続いて、再び、眠りに入り、起きて、また、不思議な感覚におそわれる、そんな状況が続きました。

夢と現実が判断つかない状態で、ほっぺをつねったり、たたいたりして確かめる。(ドラマやアニメの世界だけだと思ったのですが、まさか自分がするとは思いもしませんでした。)

写真を撮って現実か夢か判断していました。
とりあえず、制限時間まで歩けば、何とかなると、分かるようになり、歩いていきますが、意識がはっきりしたり、薄らいだりの状態が続き、歩いている姿は、かなりフラフラしていたようで、通行人からも「大丈夫」と声をかけられました。

それでも、本人は、ただ眠いだけだと思っているので、「大丈夫」と返答していました。

事務局の観察車も、声を掛けて頂き、「大丈夫、眠いだけです。」と返事していましたが、途中、コースの逆走もしていたようです。

そんな中、何とか歩き続けていましたが、大岐区長場の駐車場で眠りに落ちてしまいました。

しばらくして、ランナーのサポートとリタイアしてランナーが私に気がついて、声をかけて頂き、栄養補給ジェル、水などを頂き、回復しました。

再び、歩き始めるのですが、まだ完全に回復したわけではなく、地図は読めなくなっていました。

直進すべきところを、左折してしまい、大岐海岸の松林に入ってしまいました。

さらには、薮の中に入り、完全に迷路に迷い込んでしまいました。


何とか、コースに戻る道を見つけ出して、大きな通りに出ようとしたところで、
おばあさんが、いきなり、小夏を3つ、「これどうぞ」と渡してきました。
断ることもなく、私も受け取ってしまい、小夏3つ持ちながら、歩くことになりました。

謎のおばあさんからの「小夏」、これは、現実か夢か、また不思議な出来事に遭遇して、パニックになっていたところ、

ランナーのサポートをしていた方の車に遭遇して、「最後尾の4人組が、間もなく来るので、合流したらよい」とご提案頂いて、小夏3つは預けて、合流することになりました。

今思うと、本当にラッキーでした。

ゴールまでは、残り15km
合流した段階では、意識がはっきりしていたのですが、歩き続けているうちに、また意識が薄らいできました。まっすぐ歩いているつもりが、フラフラ歩いているようで注意されます。


へんろ道を抜けて、最後は一本道ですが、ひたすら、同じところグルグル回っているのではないかという不思議な感覚で、やはり自分で判断できない状況になっていました。

残り10キロ、厳しい上り坂、下り坂が続きます。フラフラしていたのですが、足だけは動いていたので、何とかついていけました。

しかし、意識状況はまた、ひどくなり、応答もあやふやになってきました。

230キロ以上の距離を走って歩いてきて、自分のことで精一杯なはずなのに、ふらついている私の身体を支えながら、歩いてくれます。さらに、眠らないように、話かけて、意識を失わないように心がけて頂きました。
(その時は、なぜそうされているのか、理解できていませんでしたが。。)

暗くなりはじめて、ついには3度目の夜、ライトをつけることに、自分では点灯したつもりが、点灯してなかったり、自分では完全に判断能力は失っていました。

意識があいまいなおかげで、足の痛みはほとんど感じなくなっていましたが、長い下り坂を下りきって、ついに足摺岬のゴールが近づいてきました。

そして、とうとうゴール。
(しかし、人がいない?やはり、夢だったのか?)

予定より早く着いたので、事務局のゴールの準備がまだだったようで。。それは愛嬌ということで

事務局が到着して、改めて5人でゴール。

58時間48分。 制限時間の1時間12分前でした。

ついに、47都道府県制覇達成しました。

しかし、まだ、夢か現実か判断できていませんでした。

完踏賞を頂き、完走した実感が少しずつ湧いてきました。




その6へつづく
大会公式HP⇒  第1回土佐乃国横断遠足 
土佐の国横断遠足

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マラソンの記録

【フルマラソン】

◆男子世界記録 2時間00分35秒 ケルビン・キプタム(ケニア) 2023年10月 シカゴマラソン (2分51秒5/km)

◆男子日本記録 2時間04分56秒 鈴木 健吾 2021年2月 びわ湖毎日マラソン(2分57秒7/km)

◆女子世界記録 2時間11分53秒 ティギスト・アセファ (エチオピア) 2023年9月 ベルリンマラソン (3分08秒/km)

◆女子日本記録 2時間19分12秒 野口 みずき 2005年9月 ベルリンマラソン (3分18秒/km)

◆自己記録  3時間37分32秒 2013年12月 青島太平洋マラソン(5分09秒/km)


【100km】

◆男子世界記録 6時間09分14秒 風見 尚 (日本)  2018年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン (3分42秒/km)

◆女子世界記録 6時間33分11秒 安部 友恵 (日本) 2000年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン (3分56秒/km)

◆自己記録 12時間13分41秒  2009年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン(7分20秒/km)

記録

【ハーフマラソン】
◆男子世界記録
 57分31秒 ジェイコブ・キプリモ(ウガンダ) 2021年11月(ポルトガル・リスボン)(2分43秒6/km)
◆男子日本記録 1時間00分00秒 小椋 裕介 2020年2月(香川丸亀国際ハーフ)(2分50秒6/km)
◆女子世界記録 1時間02分52秒 レテセンベト・ギデイ(エチオピア)2021年10月スペイン・バレンシアハーフマラソン (2:58.8/km)
◆女子日本記録 1時間06分38秒 新谷仁美 2020年1月 米国・ヒューストンハーフマラソン (3:09.5/km)
◆自己記録  1時間37分12秒 2013年11月 江東シーサイドマラソン(4分36秒/km)