2011年6月17日金曜日

2011いわて銀河100kmチャレンジマラソン (その3:翌日編)

2011年6月13日(月) いわて銀河100kmチャレンジマラソン 大会翌日

盛岡市内は、中心市街地も、震災の影響は感じられず活気があります。ホテルで朝食を済ませ、朝8時前の新幹線で盛岡から新花巻へ、JR東日本パスが使えるので一駅分だけ新幹線に乗るという贅沢な乗り方ができます。




新花巻駅の駅レンタカーで、車を借りて、岩手横断のドライブを、ジャージ姿でスタートさせました。本来の予定は、新花巻-遠野―大槌-釜石-新花巻でしたが、湯川温泉の宿に洋服を忘れて取りにいかなければならないので、全く反対方向に55キロ車を走らせました。

花巻・北上市内は、交通量が多いですがそこを離れると、森の中、北海道を彷彿とさせる道で気持ちよかったです。有料道路は使いませんでしたが、午前10時前には、湯川温泉に到着、女将さんとまさかの再会、無事、洋服が元に戻りました。

温泉に入りたいところですが、そんな時間はなく、ほっとゆだ駅でお土産を購入、ジャージから普通の服に着替えて、次の目的地へ、遠野に立ち寄ると時間がなくなる可能性があったので、大槌を目指すことにしました。

湯川温泉のある西和賀町は秋田県境にあり、大槌町は、釜石の北、三陸海岸側にあり、西から東へ岩手を横断する形になります。カーナビは目的地まで130キロ、長旅になりそうです。予定到着時間は4時間後?果たして、無事たどりつけるか、心配になります。

一度走った道を戻るのですが、何カ所か道路の補修工事をやっており、地震から3カ月、内陸部でも、まだ爪痕が残っていました。北上市内を抜けて遠野へ、救援物資を載せたトラックや、道路工事用の車などの通行が目立ってきました。さらに、自衛隊の車、テントもたくさん遠野市内で見かけました。
沿岸部の大槌、釜石、大船渡、陸前高田の支援拠点として、被害が少なかった遠野がバックアップしています。

遠野はとりあえず素通りして、大槌を目指します。道路はいくつかありますが、一番山道を走る道路を選択してしまい、対向車におびえながら、何とか山を越えて沿岸部が近づいてきました。この時、すでに13時を過ぎていました。

山道に、仮設住宅らしき建物が、いくつか見られそこを通り過ぎると、突然、景色が変わりました。崩壊した家、逆立ちした状態のままの車、中には、何も無かったように建っている家、そして、特定の場所にまとめられた瓦礫の山、もう言葉になりません。海から遠く離れた場所でこの被害、海へ近づくのが怖くなってきました。

しばらくすると、「津波到達予想区域」の看板が見えました。その場所よりも、はるか内陸まで津波は到達しており、何とも虚しい看板になってしまいました。


今回、ボランティアできればよかったのですが、時間的制約や、作業に必要な道具、また、マラソンの後で体調も不十分の可能性があり断念、何か少しでも役に立てることを考え、大槌町のホームページを見たら、支援物資を募集しており、Tシャツ、蚊取り線香、紙皿を調達して、届けることにしました。

大槌町災害対策本部 支援物資関係
http://otsuchi.web.fc2.com/sub10.html


海岸から少し離れた高台にある災害対策本部「おおつちふれあい運動公園野球場」に到着しました。ここは自衛隊設営の入浴施設もありました。

球場内に入ると、係の人が丁寧に対応して頂き、少しですが無事に物資を届けることができました。

それから、大槌町の中心部に向かいました。瓦礫の撤去、建物の解体、道路の補修などの工事車両が多く作業が進んでいます。そして、大槌町で一番被害の大きかった市街地に来ると、視界が開けてきます。大半の建物は流され、頑丈な建物がほんのわずか残されているだけでした。



車を停めて歩いてみました。瓦礫はかなり撤去されていましたが、津波に耐えた建物は、マンガ本などが散乱して、当時のまま残っていました。そして、いたる所に花束が置かれ、一瞬のうちに、多くの命が奪われた現場、胸が詰まる思いです。


後で分かったのですが、JR山田線の大槌駅があった場所ですが、電車が走っていた面影は全く残っていませんでした。そして、大槌町役場、建物はかろうじて残っていますが、内部はひどい状態です。この町の町長もこの役場で、命を落とされています。



【津波前の大槌町】
http://tamagazou.machinami.net/otsuchi-town.htm


すぐそばに裏山の高台があり、ここまで津波が来ることが分かっていれば、逃げられただろうと思うと、何とも言えない気持ちになり、手を合わせました。

このような光景が三陸沿岸を中心に広範囲に及んでいると考えると、元の町に戻るのにどれほどの時間を要するのか、普通の暮らしができている我々が頑張らなければと、つくづく感じました。

裏山には、「Thanks」の垂れ幕が、このような状況でも、必死に前へ前へ進もうとしています。


大槌から海沿いの道路で、釜石方面を運転すると、津波で家が流され見るに堪えない光景が続きます。道路も、がけ崩れで、片側通行の場所もあり、復旧作業途中です。

釜石の商店街は、多少標高が高く、建物の大半は無事でしたが、信号機は未だに消えたままでした。全国の警察・消防が集まっていて、岩手以外のナンバーが目立っています。

釜石駅周辺は、津波の被害を免れ、支援拠点となっています。海沿いを走る三陸鉄道、JR山田線は運休していますが、花巻-釜石間のJR釜石線は運行しており、駅前の市場や商店も営業しており、大槌よりもライフラインが維持されています。

三陸鉄道 釜石駅 (入口は閉鎖されてました)
 










駅前には新日鉄釜石があり、すでに工場は稼働し、復興に向けて動き出しているようです。駅前の施設に救援物資が集められ、仕分けには、民間の宅配会社があたっていて、スピーディーに動かれていました。


釜石市内で食事をし、土産物を購入して、遠野に戻りました。釜石市内で交通量が多く、海から離れた場所では、普通の生活が戻ってきているようでした。

遠野に到着したのは16時過ぎ、16時半に新花巻に戻る予定でしたが、レンタカー料金も変わらないので、帰りの新幹線を1本遅らして1時間返却を伸ばすことにしました。

遠野市は、内陸部の町で津波の被害は免れましたが、遠野市役所の庁舎は全壊、市内のショッピングセンターの一角で業務を行っています。それでも、被災地支援に向けて、沿岸部に職員を派遣しています。遠野市の方と短い時間でしたがお話しましたが、元気な様子でした。

遠野市役所




遠野は、4年前遠野じんぎすかんマラソンの時にも訪れていてます。遠野物語のカッパ伝説が有名、街中カッパのオブジェがあり、交番も河童の形をしています。カッパ淵は、本当にカッパが出てきそうなところです。面白く奥深い街です。また、近いうちにゆっくり観光で来たいと思ってます。


2007年遠野じんぎすかんマラソン(日記)
http://marathon-world.blogspot.com/2007/08/blog-post_544.html

遠野市観光協会
http://www.tonojikan.jp/

遠野 かっぱ捕獲許可証
http://tonojikan.shop-pro.jp/?pid=11485471

16時半過ぎに、遠野を離れ花巻へ、三陸沿岸から花巻、道中、支援感謝のメッセージの看板がいくつもありました。

新花巻駅周辺にはガソリンスタンドがないため、その手前の旧東和町で給油する必要があります。無事、ガソリンスタンドに到着しましたが、セルフスタンド、ペーパードライバーのため、生まれて初めてのセルフ給油です。

店員の方の助けを借りて何とか給油完了、17時半過ぎ、新花巻駅に事故なく無事到着しました。1日で約270キロ(東京-福島間ぐらい)運転しました。過去5年分の距離を1日で運転した感じです。

新花巻駅から新幹線に乗って、夜10時には帰宅の途につきました。

こうして被災地を訪れて、やはり東京と現地の温度差を感じました。また、現地に行って分かったことも色々ありました。


大槌町では、食料を調達しようにも、街の商店街が壊滅的な被害を受け、お店らしいお店がほとんどありません。線路も流され電車は使えず、自家用車があれば、釜石に買い物に出られますが、その車も流されている人がほとんどで、送迎バスだけが頼りで、仮設住宅が出来たからといって、課題は全然解決しません。(大槌町では、自転車の配給も始まっているようです。)

仮設住宅と共に、コンビニなど商業施設ができないことには生活もできないと感じました。購買活動が行われることで、雇用も生まれ、町も活気づくと思われます。働ける環境づくりが大切だと実感しました。

いわて銀河チャレンジマラソンのゴール、雫石にもありましたが、岩手県の復興支援ポスターが話題となっています。大変厳しい状況ですが、前に進もうとしています。



復興の狼煙 ポスタープロジェクト
http://fukkou-noroshi.jp/posters/index.shtml#otsuchi

我々ができることは、些細なことかもしれませんが、
岩手の食品を購入することは、義援金よりも大きな効果をもたらすことができるかもしれません。

これから長く続く再建への道、継続的にささやかですが支援を続けていきたいと思います。


【岩手県関連の食品販売】

いわて銀河プラザ(アンテナショップ:東銀座)
http://www.iwate-ginpla.net/tokusan/ranking.html

岩手 エーデルワイン
http://www.edelwein.co.jp/

北上まきさわ工房
http://www.makisawa.jp/

岩手三陸の菓子 銘菓「かもめの玉子」さいとう製菓 (大船渡市)
http://www.saitoseika.co.jp/top.php

岩手県釜石市 「三陸海宝漬」有限会社 中村家
http://www.iwate-nakamuraya.co.jp/app/article_list.php

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2011いわて銀河100kmチャレンジマラソン(その1:前日編)
http://marathon-world.blogspot.com/2011/06/2011100km.html

2011いわて銀河100kmチャレンジマラソン(その2:当日編)
http://marathon-world.blogspot.com/2011/06/2011100km_16.html

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マラソンの記録

【フルマラソン】

◆男子世界記録 2時間00分35秒 ケルビン・キプタム(ケニア) 2023年10月 シカゴマラソン (2分51秒5/km)

◆男子日本記録 2時間04分56秒 鈴木 健吾 2021年2月 びわ湖毎日マラソン(2分57秒7/km)

◆女子世界記録 2時間11分53秒 ティギスト・アセファ (エチオピア) 2023年9月 ベルリンマラソン (3分08秒/km)

◆女子日本記録 2時間19分12秒 野口 みずき 2005年9月 ベルリンマラソン (3分18秒/km)

◆自己記録  3時間37分32秒 2013年12月 青島太平洋マラソン(5分09秒/km)


【100km】

◆男子世界記録 6時間09分14秒 風見 尚 (日本)  2018年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン (3分42秒/km)

◆女子世界記録 6時間33分11秒 安部 友恵 (日本) 2000年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン (3分56秒/km)

◆自己記録 12時間13分41秒  2009年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン(7分20秒/km)

記録

【ハーフマラソン】
◆男子世界記録
 57分31秒 ジェイコブ・キプリモ(ウガンダ) 2021年11月(ポルトガル・リスボン)(2分43秒6/km)
◆男子日本記録 1時間00分00秒 小椋 裕介 2020年2月(香川丸亀国際ハーフ)(2分50秒6/km)
◆女子世界記録 1時間02分52秒 レテセンベト・ギデイ(エチオピア)2021年10月スペイン・バレンシアハーフマラソン (2:58.8/km)
◆女子日本記録 1時間06分38秒 新谷仁美 2020年1月 米国・ヒューストンハーフマラソン (3:09.5/km)
◆自己記録  1時間37分12秒 2013年11月 江東シーサイドマラソン(4分36秒/km)